インターネットを使うときに目にする「URL」や「ドメイン」。
普段は何気なく使っていますが、実はこの2つは“似て非なるもの”です。
たとえるなら、URLは「住所を含めた地図のフル情報」、ドメインは「住所の名前部分」だけ。
この記事では、初心者でも混乱しやすいこの違いを、図解とやさしい言葉で丁寧に説明します。
仕組みを理解すると、Webサイト運営やメール設定の基礎がスッキリ見えてきます。
URL・ドメイン・違いの基本を理解する

- URLとは?定義と構成要素(IPアドレス・プロトコル・ホスト名)
- ドメインとは?“ウェブ上の住所”としての役割・取得の仕組み
- なぜ「URLとドメインは違う」のか?初心者にありがちな勘違い
- IPアドレスとの関係から見たURL・ドメインの構造
URLとは?定義と構成要素(IPアドレス・プロトコル・ホスト名)
URL(Uniform Resource Locator)とは、インターネット上の情報資源を特定するための「住所表記」です。
たとえば、https://webuma.com/about/ というURLを分解すると、以下のようになります。
https://→ 通信の仕組みを示す「プロトコル」webuma.com→ 住所にあたる「ドメイン名」/about/→ サイト内の特定ページを示す「パス」
つまりURLは「通信方法+住所+部屋番号」をまとめた“完全な住所”。
URLがなければ、ブラウザは目的のページを正しく見つけられません。
この構造は公的標準仕様(RFC3986)でも定義されており、URLがどのように構成されるかが明確に定められています。
URLはインターネットの世界で、私たちが「どこにアクセスしたいか」を伝えるための最重要キーです。
それは地図アプリで目的地を指定するようなもの。
たとえ正しい住所(ドメイン)を知っていても、部屋番号(パス)がなければ目的のページにはたどり着けません。
URLは“位置情報そのもの”を指し示す完全な指標なのです。
URLは「通信方法」「住所」「ページ場所」をまとめた“完全な住所”であり、Web上の情報を特定するための唯一の指標です。
ドメインとは?“ウェブ上の住所”としての役割・取得の仕組み
ドメイン(Domain)は、URLの中に含まれる“住所名”の部分を指します。
例として https://webuma.com/about/ の中では、webuma.com がドメインです。
これは、IPアドレスという数字の羅列(例:192.0.2.1)を人間が覚えやすくするために作られた「名前付き住所」です。
インターネットでは、本来すべてのサーバーはIPアドレスで管理されています。
しかし数字だけでは扱いにくいため、ドメイン名を使ってアクセスできるようにした仕組みが「DNS(Domain Name System)」です。
このDNSは“インターネットの電話帳”のようなもので、ドメイン名を入力すると、対応するIPアドレスを教えてくれます。
ドメインは個人や企業が自由に取得できますが、世界的なルールに従って登録されています。
日本では、一般社団法人JPNIC(日本ネットワーク情報センター)やJPRS(日本レジストリサービス)が管理に関わっています。
取得は各種ドメインレジストラ(お名前.comなど)を通して行い、年間料金を支払うことで所有権を維持します。
つまりドメインは、Webサイトの信頼性・ブランド性を表す要素でもあります。
短く、覚えやすく、意味が伝わる名前を選ぶことで、ユーザーにも検索エンジンにも優しくなります。
ドメインは「IPアドレスに人が覚えやすい名前をつけた住所」であり、DNSによって実際のサーバー位置へつながる仕組みです。
なぜ「URLとドメインは違う」のか?初心者にありがちな勘違い
URLとドメインを混同してしまう最大の理由は、URLの中にドメインが含まれているためです。
確かに https://webuma.com/ のようなURLだけを見ると、両者はほとんど同じように見えます。
しかしURLは「住所の全文」で、ドメインは「その中の名前部分」にすぎません。
たとえば、https://webuma.com/about/ と https://webuma.com/contact/ は、同じドメインを共有していますが、URLは異なります。
つまり、URLはページ単位で異なり、ドメインはサイト単位で共通ということです。
この違いを理解しておかないと、リンク設定やリダイレクトの際にミスを起こすことがあります。
特にWordPressなどでサイトを構築するときは、「ドメイン設定(基本URL)」と「個別URL(記事URL)」を区別する必要があります。
また、検索エンジン最適化(SEO)においても、URL構造とドメインは別の要素として評価されます。
たとえば「https://example.com/blog/post1」と「https://sub.example.com/blog/post1」は、ドメインが異なるため別サイト扱いになります。
初心者がよくある「ドメイン=URLそのもの」と思い込むのは自然なことですが、仕組みを一度理解すればすぐに整理できます。
URLはページごとに異なり、ドメインはサイト全体を表す“共通の住所名”。同じに見えても役割は明確に分かれています。
IPアドレスとの関係から見たURL・ドメインの構造
インターネットの根本には「IPアドレス」という数列があります。
IPアドレスは、コンピュータやサーバーを識別するための番号で、例えるなら「番地コード」のような存在です。
しかし数字の羅列では人が扱いにくいため、ドメインという名前に変換されました。
その変換を担っているのがDNS(Domain Name System)です。
DNSは、ドメイン名を入力すると背後で自動的にIPアドレスを探し出し、該当サーバーへ接続します。
URLはこの流れの中で、最終的に「そのサーバーのどのページか」を指定するための手段として使われます。
たとえば、https://webuma.com/about/ というURLを開くと、
① DNSがwebuma.comに対応するIPアドレスを探す
② ブラウザがそのサーバーに接続
③ /about/ ページのデータを取得
という流れで表示されます。
つまり、IPアドレス→ドメイン→URLという階層構造でWebは成り立っています。
根本にあるのは常にIPアドレスであり、URLやドメインは人間が理解しやすくするための“翻訳表現”なのです。
IPアドレスが基盤で、ドメインがその翻訳、URLが最終的な“ページ指定”。3つは連携して情報を届けています。
URLとドメインの違いを深掘り/使い方・注意点

- URLが持つ“ページを特定する”役割とドメインの“サイトを特定する”役割
- URLおよびドメインを選ぶ際のポイント(覚えやすさ・ブランド性・SEO)
- 共有ドメイン vs 独自ドメインの違いとメリット・デメリット
- ドメイン・URLの変更がSEOに及ぼす影響:リダイレクト・URL構造の最適化
- セキュリティ観点からのURL・ドメイン注意点(HTTPS・サブドメイン・TLD選び)
URLが持つ“ページを特定する”役割とドメインの“サイトを特定する”役割
URLはページを特定し、ドメインはサイト全体を特定します。
たとえば「https://webuma.com/about/」というURLでは、`webuma.com` が“サイト全体の住所”、/about/ が“ページの住所”です。
つまり、ドメインは“家”、URLは“部屋”を指していると考えると分かりやすいでしょう。
ドメインがなければ、Webという世界の中で“どの家か”を特定できません。
そしてURLがなければ、その家の“どの部屋”に行きたいかがわからない。
検索エンジンも同じように、ドメインでサイト全体を識別し、URLごとにページを評価します。
この仕組みを理解すると、リンクの貼り方やリダイレクト設定の重要性が見えてきます。
特にサイト構造を作る際には、ドメインを軸にしつつ、URL階層を整理しておくことがSEO的にも有利です。
ドメインは“サイト全体”、URLは“特定のページ”を識別。両者を正しく設計することでSEOとユーザー体験が安定します。
URLおよびドメインを選ぶ際のポイント(覚えやすさ・ブランド性・SEO)
URLやドメインを決めるときは、「覚えやすさ」「信頼感」「SEO効果」の3点を意識するのが基本です。
まず、ドメインはなるべく短く・発音しやすく・表記がシンプルなものが理想。
ユーザーが口頭で伝えても正しく覚えられる名前であることが大切です。
また、ドメイン名に日本語(例:.日本)を使うことも可能ですが、SNS共有などで文字化けすることがあるため、基本は英数字を推奨します。
SEO的には、ブランド名やサービス名を含めるのが効果的です。
たとえば「webuma.com」はサービス名をそのまま使い、覚えやすさと信頼性を両立しています。
URL構造についても、記事タイトルをスラッグに反映する(例:/url-domain-difference/)など、内容が推測できるように設計しましょう。
Googleも「短く・意味のあるURL構造」を推奨しています(参考:Google検索セントラル)。
ドメインとURLは「覚えやすく・意味が伝わる・一貫性のある構造」に設計するのが理想。SEOと信頼性の両方に影響します。
共有ドメイン vs 独自ドメインの違いとメリット・デメリット
無料ブログサービスや一部CMSでは、「共有ドメイン」を使うケースがあります。
たとえば「example.wordpress.com」のように、サービス側のドメインを借りる形です。
これに対し、「example.com」のように自分専用のものを取得するのが「独自ドメイン」です。
共有ドメインの利点は、初期コストがかからず手軽に始められる点。
しかし欠点として、ブランドとしての信頼性やSEO評価の蓄積がサービス提供元に集まってしまうことがあります。
一方、独自ドメインは取得費・維持費が必要ですが、長期的なSEO評価やブランド資産を自分の手で育てられます。
特にWebumaのように“サイト=事業基盤”となる場合は、独自ドメインが必須です。
JPRS(日本レジストリサービス)でも、「.jp」ドメインは日本国内企業・個人の信頼を高める要素として位置づけています。
共有ドメインは手軽だが資産化に不利。長期的に育てたいなら独自ドメインを選び、SEO・信頼・自由度を確保しましょう。
ドメイン・URLの変更がSEOに及ぼす影響:リダイレクト・URL構造の最適化
URLやドメインを変更すると、SEOに直接的な影響があります。
Googleはページの評価をURL単位で管理しているため、変更すると一時的に検索順位が下がることがあります。
そのため、リダイレクト設定(301リダイレクト)が非常に重要になります。
たとえば旧URLを新URLに自動転送する設定をすることで、Googleやユーザーが新しいページを正しく認識できます。
このリダイレクト設定を怠ると、せっかくのSEO評価がリセットされてしまうのです。
また、URL構造の見直し時には、できる限りシンプルかつ階層の浅い設計を心がけましょう。
「/blog/2025/11/url-domain-difference」よりも「/url-domain-difference」の方が明快で評価されやすいです。
Google公式も「意味を持たないパラメータや階層の多さは避けるべき」と明言しています。
URL変更の際は、内部リンク・外部リンク・サーチコンソールの設定を同時に更新することを忘れずに。
URLやドメイン変更時は301リダイレクトが必須。階層を浅く、シンプルに整えることでSEOへの悪影響を最小化できます。
セキュリティ観点からのURL・ドメイン注意点(HTTPS・サブドメイン・TLD選び)
URLとドメインには、セキュリティ面での注意点も多く存在します。
まず最も基本なのが「HTTPS」の有効化です。http:// ではなく https:// で始まるURLは、通信内容が暗号化されており、第三者からの盗聴や改ざんを防ぎます。
次に、サブドメイン(例:blog.webuma.com)の使い方にも注意が必要です。
メインドメインとは別に扱われるため、設定ミスがあるとセキュリティホールになりやすいのです。
運用上の責任範囲を明確にし、不要なサブドメインは削除・閉鎖しておきましょう。
さらにTLD(トップレベルドメイン)選びも信頼性に関わります。.com や .jp は信頼度が高く、スパム扱いされにくいですが、格安TLD(例:.xyz、.topなど)は悪用率が高いため、企業・事業利用には不向きです。
セキュリティ意識を持ってURLとドメインを設計することは、結果的にSEOにもプラス。
Googleも「HTTPSをランキング要因の一部」として評価しています。
HTTPS化・不要なサブドメイン削除・信頼性あるTLD選定。この3点を守ればURLの安全性と信頼性を確保できます。
総まとめ|URLとドメインの違いを一気におさらい
URLは「ページを特定するための完全な住所」、ドメインは「その住所の名前部分」。
そしてIPアドレスは、その裏にある“数値の住所”。
この三者が連携することで、私たちはWeb上の無数の情報に瞬時にアクセスできるのです。
初心者のうちは混乱しやすいですが、構造を一度理解すれば、Webの仕組みが一気にクリアになります。
URL設計はSEOやセキュリティに直結するため、単なる“文字列”ではなく“戦略的な資産”として設計しましょう。
最後に覚えておきたいポイントはこの3つ。
1️⃣ URL=ページ単位の住所
2️⃣ ドメイン=サイト単位の住所名
3️⃣ IPアドレス=本当の番地
これを押さえておけば、Web制作・運用・SEOのすべてに強くなれます。
Webumaでも、この基礎を軸に、より深いWeb構造とドメイン設計の実践記事へとつなげていきます。

